大学・専門学校生向け実践行動学プログラムの内容

プログラムの基本概念 > プログラムフラッシュ1

プログラムフラッシュ1/Part1「意欲的な心構え」より抜粋

「誤った思い込み」
日常生活の中で何かを行おうとしたときに、さまざまな障害が現れるのはよくあることです。そして、時として意外に大きな障害となるのが、親しい友人や親からの忠告です。「世の中そんなに甘くないよ」とか、「おまえには無理だよ」などと言われると、自分でも弱気になり、そんなに無理することもないかと断念したりします。もちろん、的を射た忠告もあり一概にいえないのですが、本人のやる気をなくすという点では、障害といえるのではないでしょうか。
的を射た忠告には、受けた方も納得がいき、断念するにしても心残りがないのに対し、押し切られた形で受ける忠告には、断念したことにいつまでも未練が残るように思います。「やろうとすればできたかもしれない」「何もやらずに断念した」という気持ちと、「自分にはしょせん、無理だった」という気持ちの葛藤状態といえるかもしれません。

この障害がなぜ大きいのか。それはいつしか自分について「誤った思い込み」を与えているからです。次の事例を参考に、考えてみましょう。

<事例>
サーカスのライオンは、なぜ逃げない?

よく言われることですが、サーカスの象やライオンは体も大きく、太い鎖やロープによってももはや抑えられないほど巨大な力があります。しかし、逃げようとはしません。

象やライオンが逃げないのはどうしてだと思いますか?
グループごとにディスカッションし、意見をまとめてください。

さて、いかがでしたか。
実は、サーカスの象やライオンはごく小さいうちから、つながれたら決して逃げられないということを体得させられるので、大きくなっても逃げようとしないのです。
象やライオンのたとえで気分を悪くするかもしれませんが、同じようなことは私たちにも起こり得ます。小さいときから、何かをやろうとする前に親が手を出してやってくれたり、「おまえはこうなんだよ」、「おまえは○○が好きだけど、××が苦手だからね」とか、「それは、おまえには無理だよ」などと言われ続けたとしたらどうでしょうか。また、親の言った通りに事が運んだことが、これまで2、3度あったとしたらなおさらです。親の決めつけたあなたのイメージを、いつしかあなたもあなたの周りも、あなた自身だと思ってしまうことは大いにあり得ることです。

象やライオンが自分の力に気付いていないように、あなたも真の自分の力に気付いていないのです。そして、何かをやろうと思っても何となく自信がもてず、周りの意見に従ってしまうことになるのです。やればできることも、やる前からだめだと思ったり、今までできなかったから今度も無理だと思い込んでしまう。これでは自らを鎖やロープで縛っていることと同じといえるのではないでしょうか。
このように「誤った思い込み」は、誤ったイメージで自分自身を縛り、本来の自分の力を発揮できない状態に追い込むものといえます。

事例と同じようなことを経験したことがありますか?またそのとき、皆さんはどうしましたか?グループでディスカッションしてみて下さい。

資料請求・お問合せ